「外壁」と「屋根」のメンテナンス
種類によって異なる
メンテナンスの中身
住宅のメンテナンスは様々な項目がありますが、戸建てで大きなメンテナンス費用がかかるのは「外壁」と「屋根」です。
しかし、どんな外壁や屋根の種類によってメンテナンスの内容や周期、費用が異なります。
これから家を建てる方は、あらかじめ将来のメンテナンス周期や費用も踏まえて、素材を選ぶという視点を持つのも大切です。
《 外壁 》
戸建ての外壁でポピュラーなのは「モルタル」と「サイディング」。
これら以外には、ガルバニウム剛板やALCパネルなどがあります。
モルタル壁はモルタル下地の上に、ジョリパッド、ベルアート、リシンといった外壁剤を塗ったり吹き付けたりします。
モルタル壁の施工はサイディングに比べ職人の手間がかかり、工期も長くかかります。
そのため、近年はサイディングより少ないのですが、独特の柔らかい雰囲気・風合いはとても魅力的です。
これに対して、サイディング壁は、カットしたサイディングボードを貼ってゆき、間をシーリングで間を埋めるタイプの施工方法で、比較的工期が短いうえ、仕上がりが職人の腕に左右されにくく、一般的に汚れが目立ちにくいなどのメリットがあります。
◆モルタル壁のメンテナンス
10年に一度が標準とされていますが、立地環境、気象条件などによって、汚れ方や劣化の進行も変わってきます。費用は、足場組も含め100万円前後が目安です。外壁剤による塗り替え、吹き替えになります。
◆サイディング壁のメンテナンス
サイディングのメンテナンスも10年に一度程度が標準とされています。張り替えまでは通常必要ではありませんが、サイディングでは表面の定期的な「塗装」が必要となります。放置すると表面の劣化により色彩が落ち、内部の柱や躯体の腐食につながります。費用は同じく100万円程度。塗装およびシーリングの補修がメンテナンス内容となります。
《 屋根 》
屋根は大きく分けてコロニアルと瓦があります。
◆コロニアル
コロニアル(スレート、カラーベスト)はセメントを基材にした板材で、サイディングと同様、劣化すると色が褪せてきます。表面が劣化し、屋根材の剥がれが生じるため、10年に一度程度、塗装が必要になります。足場が必要なため、外壁のメンテナンスと同時に行うのがお勧めです。
◆瓦
基本的にメンテナンスは要りません。原則、色が落ちるということもありません。万が一、台風の飛来物などで割れたときには交換の相談をしましょう。瓦は、メンテナンスフリーである、コロニアルに比べて遮熱性が高い、などのメリットがある反面、重量は重くなります。また初期費用は若干高くなります。
外壁や屋根は、どちらを選ぶべき?
特徴やメンテナンスなどの違いがある外壁や屋根の種類。
「結局どれがいいの?」と思うかもしれませんが、どちらが良いと一概に決めることはできません。
外観よりも汚れやメンテナンスが極力少ないのがいい、という方もいらっしゃるでしょうし、むしろ外観を第一にこだわりたいという方もいらっしゃるでしょう。
瓦は原則、メンテナンスフリーですが、シンプルモダンな建物が好きな方は、コロニアルの屋根の方が似合うかもしれません。
また、南欧風の外観が好みの方は、モルタル系の外壁と洋瓦の組み合わせで理想の雰囲気を作り出すこともできます。
自由設計の家の場合は、設計士から、各外壁の特性とメンテナンスについて話を聞いてみるのがよいでしょう。
外壁や屋根で気になることがある時は
早めにプロに相談しましょう
メンテナンスをせずに放置しておくと、建物へのダメージが生じ、結果として大きな費用がかかることがあります。そのため、外壁や屋根の状態は、日頃からチェックを心がけましょう。
点検するポイントは、目立った亀裂が無いかどうか、表面を触ったときに手に白い粉がつく「チョーキング」がないかどうか、つなぎ目のシーリング(コーキング)が劣化していないかどうか、点など。
気になる点があれば、早めにプロに相談しましょう。
なお、モルタル、サイディング、のどちらも、オプションや商品のグレードを上げれば、メンテナンス周期を伸ばすことができます。
モルタル系の外壁もトップコートなどを組み合わせることにより防汚性を高める働きも。
サイディングも種類が豊富にあり、高グレードなものを選べば、メンテナンス周期を延ばすことができるでしょう。
外壁や屋根のメンテナンスについてはぜひ売主業者ともご相談ください。